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酒迎会長(全船協会長,同窓会長)の寄稿

練習船実習生への食料支給の継続を要請します
 
帆船日本丸・海王丸をはじめ日本国の船員教育に必須である練習船の運航を一元的に管理運営する(独)海技教育機構は、国交省海事局の指導の下、平成31年度から練習船実習生から乗船中の食費を徴収することを関係者との協議を終えて実施の方針であることを(独)海技教育機構から直接説明を受けましたが、全日本船舶職員協会としては到底受け入れることは出来ません。食費徴収という唐突な政策方針に反対します。
 
平成19年4月に成立した「海洋基本法」の規定に基づき、平成20年に第一回海洋基本計画が策定され、その後5年毎に見直しが行われており、平成30年5月15日に第三回海洋基本計画が閣議決定されました。国交省海事局が発行する海事レポート2018には、海事人材の確保・育成の重要性について「四面環海の我が国おいて、外航海運は輸出入の99.6%、内航海運は国内貨物の約4割、産業基礎物資の約8割の輸送を担っており、海運業は我が国の経済、国民生活に大きな役割を果たしている」又、「国土交通省では、本章に記述する取組 を通じ、海運・造船・海洋開発の各分野について、海洋立国日本の要となる海事人材の確保・育成を強力に推進している」とも述べています。
 
平成20年以降、官民をあげて船員教育の振興、若年者の海への誘いを実施しています。船員教育・商船教育機関の現場は学生募集に地道な努力を傾注している毎日です。この様な官民の共通認識の中で船員教育・商船教育に必須である練習船実習生の食費徴収という政策変更は理解できないところであります。戦後長きに亘り一貫して実習生は船員法上は船員ではないが、船舶という陸上から隔離された特殊環境の中にある乗組員に準じ、みなし船員として食料は支給されてきた歴史があります。この政策変更は教育現場において、学生募集にも悪影響を及ぼすと憂慮される事態となっています。
 
全日本船舶職員協会は全国高等専門学校(商船学科)5校の卒業生及び船舶職員・海技者の参加する団体であり、船員教育・商船教育の振興を主たる目的とした一般社団法人であります。(独)海技教育機構(旧航海訓練所)の航海実習訓練のお蔭で一人前の船舶職員として今日があり、感謝しているところです。今後も船員教育は、国策として従来通り練習船乗船中の実習生への食料支給の継続を要請します。
 
一般社団法人全日本船舶職員協会 
会長 酒迎和成