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校長挨拶


校長就任にあたり -Steady as she goes-

 

校長就任にあたり -Steady as she goes-

古莊(ふるしょう)雅生

 

 平素は本校の教育目標を達成するための管理経営に絶大なるご支援とご協力を賜り、教職員一同を代表して厚く御礼申し上げます。この度、2021(令和3)年4月1日付、校長を拝命しました古莊雅生(ふるしょうまさお)です。出身地は、同じ中国地方山陰の島根県松江市。県立松江北高等学校を卒業後、昭和49年、神戸商船大学商船学部航海学科(23期)に入学しました。大学紛争後の比較的落ち着いた環境で、カッター部での全日本二連覇と夏季の深江から尾道までの瀬戸内巡航は色濃い記憶です。第一次オイルショックや海運界不況のため、船舶職員への道は険しいものがありましたが、大学卒業後は、運輸省(現国土交通省)航海訓練所(現海技教育機構)へ入所しました。練習船北斗丸の次席三等航海士からスタートした乗船勤務は、日本丸、銀河丸、大成丸と転船し、青雲丸の次席一等航海士(1st Officer)を最後に1992(平成4)年4月、神戸商船大学助教授として陸上での研究教育活動が始まりました。神戸商船大学時代は、海技実習や船舶安全学等を担当し、シーマンシップの基本を教授しました。研究のテーマは衝突予防には欠かせない“見張り(Look-out)”です。船舶の衝突海難は、晴天の日、穏やかな海面状況の時に発生しやすく、船長や当直航海士が見張りをしていても、視覚対象である船舶の輝度とその背景の輝度とのコントラスト(輝度対比)が小さいために見えない状況になっているためであることがわかりました。まさしく、見張りの盲点と言えるでしょう!阪神淡路大震災後の平成7年4月から練習船深江丸(449総トン)の船長を1年間務めた経験は、その後の研究活動を支えるものとなりました。平成15年4月から2年間は、JICA(現国際協力機構)の長期専門家としてトルコ国イスタンブール工科大学にて、カウンターパートの若手教員達と一緒に研究活動を進めました。派遣期間中に神戸商船大学は神戸大学と統合し、全てが異なるシステムに慣れる余裕もなく、帰国後は海事科学研究科の博士後期課程の学生指導が始まりました。この3月末に神戸大学を去るまでに12名の博士後期課程学生を海事社会へ送り出せたことは、大きな喜びであり、卒業生・修了生の更なる研鑽を期待しているところです。

 学校のある周防大島(屋代島)は、淡路島・小豆島に続いて瀬戸内海で三番目に大きな島であり、海底が見える海水の綺麗さは抜群です。野鳥の声が間近に聞こえる自然環境は、生活環境としても素晴らしく、着任時の感激は新鮮でした。今後はこれまでの経験を活かし、教職員の理解と協力を得ながら、学生諸君が思いやりのある社会人として巣立つことができるように、針路の安定した本校のより一層の発展に尽くす所存です。

 今後とも、本校の諸活動にご理解と絶大なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。

| 2021.05.16 |